わたしを離さないで 著:カズオ イシグロ
ヘールシャム、という名の世界からある種隔離された施設で育つ子どもたち。
主人公キャシーの視点から書き起こされていくのは、自分の身体の一部を「提供」するためだけに施設で育てられる、彼らの葛藤や人間模様。
設定が異色でありながらも、彼らの抱えるものは人間が抱える普遍的な悩みに通じていて、所々で胸にくるものがある。
特に施設内の友人には、傷つけたり傷つけられたり、そして傷つける自分を許してもらうことを期待したり、そしてそれを後悔したりと、とても人間臭い。
人間同士は深く付き合えば付き合っていくほどに複雑になっていくが、きっとそれは過程として必要なことなのだ。
昔からの友人とたっぷり酒を飲んで語り合った翌日に、1人ベッドの中で色んなことがあったなぁと思いながら読むのがいい。
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